ダンテの『神曲』という、イタリア・ルネッサンスの叙事詩の最高傑作と言われる作品がある。
しかし、『神曲』なんて重々しいタイトルを付けたのは、森鴎外という大文学者にして、医学博士、文学博士という、肩のこるおっさんだった。
それで、『神曲』は、荘厳な文学だなんて堅苦しく扱う人ばかりになったものだ。
しかし、ダンテ自身が付けたタイトルは『コメディー』なんだよ。
私は、『神曲』を中学1年生の時に読んだが、その時、その原題は知らなかったが、「なんて喜劇(コメディー)だい!」って本当に思ったのだ。
だって、ダンテの嫌いな人はみんな地獄でひどい目にあっているし、キリスト教徒でなければ天国に入れない。
ダンテがずっと片思いし続けていたが、口も利けなかった美少女ベアトリーチェと天国観光するしで、これがコメディーでなくして何だろう?
ひょっとしたら、ダンテは冗談で書いたのかもしれないが、森鴎外という大真面目なセンセーが変な方向に持っていっちゃったのかもしれないのだ。
まあ、私のこの言い分も冗談なのだが。
海外では、さすがに神曲・・・ゴッド・ミュージックとは言わないが、ディバイン・コメディー(神聖なる喜劇)というのだ。コメディーでいいんじゃないかと思うのだけどね。